最近万年筆の話題ばかりですね(毎回そう書いている気がする
いっそ文房具ブログに転換しようかしら?
さて、今回はタイトル通りパイロットスーパー100Vについての話題
最近、メルカリを見ているとペン先だけがもぎ取られた万年筆の大量セットなるものが出品されているんですよね。
金の安かった昔は普及機であっても金ペンが普通でしたが、今となっては愛好家も高級機は興味があっても普及機は興味がない、中古は価格がすなわち需要に左右されますから普及機は捨て値、その価格の合間を狙ってペン先だけもぎ取って金として売ってしまおう、そんな魂胆の人間がいるのです。
特にパイロットエリートの古いモデルやパイロットスーパー、パイロットに限らずその頃の国産品プラチナ、セーラーなんかも狙われがちなようですねえ。
まぁ、相当な本数が生産され、今となっては使う人間もいないとなると致し方ないのかもしれませんが、失われたものは戻ってこないと考えるといたたまれない気はします。
うーん、資本主義だなあ。
金の重さを測り軽く試算してみると、本数を稼げば儲かりそうですが...事業的にやられてしまえば個体数が激減するのは目に見えてるわけでいい気はしない。
このパイロットスーパーも例によらず激安で投げ売られていたので買ってしまったものです。例のペン先だけもぎ取る購入者に買われたらなあ...と。
以前、なんとなくパイロットスーパー60を手に入れ、その書き味が気に入っていたのでちょうどいいかなーというわけです。
あれからずいぶん調べ、パイロットスーパーの系譜は掴めてきました。
60(600円)...吸入式 鉄ペン
80(800円)...吸入式 金ペン
100V(1000円)...カートリッジ式 金ペン
同時期のラインナップでいうと、こんな感じらしいです。
100Vは80をカートリッジ式にした機種で80と首軸、槍を除いた各部品は共用のようですね。
汚れがひどかったため分解し超音波洗浄
Lが長い昔のパイロットのロゴが良いですねえ。
61年12月製でした。一番良い時代だなあ...
パイロットスーパー後期から付いたと言われるスポンジ
劣化で乾パンみたいになっていました。
スポンジを挟んだ真下にペン芯が通り、スポンジを通してやり取りされるようです。
仕方ないので手元にあったテキトウな綿を。
セールスポイントであったインクの見える透明窓です。
槍が一体になっており、ペン芯とカートリッジの間でダムのような役割を果たします。
首軸に取り付けるとこんな感じ。
カートリッジとの距離があるためにコンバーターのCON-40を取り付けてみると吸入量の関係でCON-40本体までインクが届かなかったりします。CON-70は取り付けられないし...
インクの見える透明窓とペン芯との間にシリコン製のパッキンがあります。
驚いたことに劣化しておらず未だ弾力を保っているという...
シリコンは劣化しにくいと聞きますがここまでとは。61年前ですよ!?
カートリッジを刺すと勢いで一気に透明窓が満たされます。すごい。
パイロットのカートリッジがやたら口がでかい理由そんなところだったりして。
ちなみに現行のシングルスペアーカートリッジです。
ゆくゆくはダブルスペアーなパイロットにも手を出して見たいんですよね~。
おー、インクが見えますね。
拾い画です。スーパーとは一言も書いていないのですよね。
1964年の初頭のものでしょうか。もうすでに(1962年に)エリートは出ていましたからあえてスーパーとは書かなかったのですかね。
ちょうどこのころ、パイロットY(ヤング)L(レディ)と言った機種があり、E(エリート)V(バリアブル?)と英字一文字で揃えたかったのかもしれません。
ブルーブラックにて。洗浄していても大量にブルーブラックが溢れてきたので当時らしく。だいぶ細字ですね。鉄ペンの60君は中字といった印象でしたから意外。
この頃の万年筆は今の74や743に比べてニブは小さくとも柔らかい印象があります。
すでに外れたタガが更に...いっそパイロットスーパー揃えるか...?
...っそれとも53Rなんか逝ってしまうのもありかもしれませんねえ。