にこらのブログ(カメラ修理)

クラシックカメラやセミクラシックカメラを収集、修理しています

ミノルタSR-1SとSRT101の分解清掃

 

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個人的に1960年代の国産中級一眼レフだとアサヒペンタックスについで良い造りをしていると思っているミノルタNEW SRシリーズ

 

SR-2,SR-1,SR-3,SR-7等の旧世代ボディも造りは悪くないもののNEW SRほどは洗練されていない感じが否めません。

 

SR-7系ボディのユニットシャッターはコパルスケヤの取り付けに酷似してますが果たしてあれに量産性の向上があったのかイマイチ謎ですし。

まぁ、たしかに布幕の取り付けをするといくらかやりやすくなっているものの、それ以上にユニットシャッターの本体への取り付けが大変で。

NEW SRシリーズでまたシャシー取り付けに戻っているところが全てを表しています。

 

SR-1SはSRT101から露出計とファインダー内シャッタースピード表示を取り除いたモデルだそうでどれくらい違うものか比較してみましょ。

ちなみにNEW SR-1だと従来型と同じく1/1000まで省かれていましたが、同価格帯のアサヒペンタックスS2でさえ1961年には1/1000が追加されていたというのに1965年になっても未だに1/1000が搭載されていないのは戦略上良くないと判断したようで1967年のSR-1Sからは1/1000も追加されました。

 

この翌年にはダイカスト前板のアサヒペンタックスSPから露出計を省いたアサヒペンタックスSLが発売されアサヒペンタックスS2はその9年の生涯を閉じました。

まぁ、アサヒペンタックスSLとS2/SVだとまるで造りの違うカメラですし板金前板のS2/SVではミノルタSR-1Sに対抗できないためと判断したんでしょうね。

 

当時もミノルタSR-1とアサヒペンタックスSV/S2で悩んだ人は多かったそうで、ダイカストでしっかりしているけど1/1000のないSR-1か、1/1000はあるけれど板金前板で弱々しいS2/SVか...という地味な販売競争があったそうです。

 

時代は既にフジカラーN100が発売され、カラー時代に突入していくというのに露出計の無い普及型35mm一眼レフカメラは廉価という利点はあったものの次第に人気が薄れ1970年に入るに従い消滅しました。

 

個人的には当てにならない露出計を積んで故障が増えるのと目障りなのと...という理由で露出計無しのカメラが好みだったりします。

 

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SR-1S

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SRT101

 

そのまんま露出計と連動機構が省かれていますね。

 

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そのまんま電池室が省かれています。

ただ気になったのは製造時期の近いであろう両機であるにもかかわらずシャシーの造りに若干の違いがあるということ。SR-1S側の親指上の穴がSRT101にはありません。

 

眺めてみても他はほとんど同じでつまらん()

 

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スローガバナーを取り出したところ。

どこぞのペトリとかいうメーカーの場合はカウンターに調速ダイヤル部分まるごと外さないとスローガバナーが摘出できないのですが、そこはミノルタ、ネジ二本で止まっています。

 

先日北村写真機店で友人と話題になったのですが、ミノルタNew SR系統は巻き上げ時にアンクルが離れリセットされるようになっています。

そういえば、似たような構造を取っているカメラとしてキヤノンフレックスなんかは完全にスローガバナが戻りきってない状態で巻き上げるとアンクルが離れリセットされます。ただ、シャッターとリセット機構が連動できていないため巻き上げをしない場合はジリジリと音を立てながらもどるという。

そういうところに突貫工事さを感じてしまうんですよね~。

どうせならNew SRと同じく巻き上げ時にリセットと統一すりゃよかったのに。

音を立てていても故障じゃないです。

 

不完全燃焼感が漂う記事でしたが、おわり。