にこらのブログ(カメラ修理)

クラシックカメラやセミクラシックカメラを収集、修理しています

Nikon AF Zoom-Micro Nikkor 70-180mm F4.5-5.6Dの入手とコピースタンド撮影

こんにちは。9月初頭になって途端に涼しくなってきましたね。

ようやく37度超えの毎日から抜け、秋に向かっていく感じがします。

 

これまで、ちょくちょくブログにも載せているカメラ修理の分解写真をAi Micro-Nikkor 55mm F2.8SとTAMRON 90mm F2.5で撮影していました。

Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8SとTAMRON 90mm F2.5ともに非常に描写には定評のあるレンズで、この種のマイクロレンズでは現代でも最高峰の描写をすると思います。

 

とはいえど、撮影する際には3次元の物体を撮影するわけですから、コピースタンドに取り付けてF16~F22に絞って撮影することになり、ボケ味や開放での描写の甘さは影響してこないため、私が必要としているのは歪曲収差の程度(1%以内なら嬉しい)だったり、コントラスト性能くらいです。あとは解像度ですが、国産の単焦点レンズならどれも問題ないと思います。

 

(Nikon D600/Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8Sにて撮影)

カメラの分解写真には概ね二種類あり、カメラボディ全体を俯瞰して写した俯瞰写真と

(Nikon D600/TAMRON 90mm F2.5にて撮影)

シャッターユニットやシャッター内部のスローガバナーなど部品単位の部分写真があります。

横幅が15cmほどのカメラボディの分解写真と横幅が3cmほどのシャッター小部品の写真では、同じ分解写真といえどまるで勝手が変わってくることから、これまでは55mmと90mmを用途に合わせて使い分けていましたが、MFレンズでレンズ交換が多くなると必然的に作業が増えるため面倒なのです。

 

AFレンズであれば絞りや露出、ピントといった設定や、Exif焦点距離情報も自動的に伝達されますが、MFレンズでレンズの場合はそれぞれセットしなければいけません。

 

マイクロレンズでは、そのうえ焦点距離が変わると撮影倍率も必然的に変わるため露出の微調整が入ってくるのです。面倒...。

 

ということで、AF NIKKORでマイクロレンズを探していましたが、購入するとしたらAF NIKKOR 60mm F2.8Dと105mm F2.8Dかな、と思いつつ探していましたが程度の良い商品だと合わせて3万円は下らなそう。

 

そんなことを考えていたのが昨年の12月ごろだったと思いますが、知り合いがZoom-Micro Nikkor 70-180mm F4.5-5.6Dを使っているのをみて「これだ!」と思いました。

そうです、そもそものレンズ交換をなくしてしまえばいいのです。

 

世界でただ一つのズームのできるマイクロレンズということもあり、今まで医療やマクロ写真を専門としている人がこだわって買う特殊レンズの位置づけで見ていましたが、意外と私の用途にはピッタリかと思います。

 

かれこれ1月ごろから欲しい欲しいと喚きまわった結果、ようやく世界唯一のズームマイクロレンズ、Nikon AF Zoom-Micro Nikkor 70-180mm F4.5-5.6Dを入手しました。

 

今までNikonを使っていて初めて恩恵をうけたような気がします。

 

www.nikon-image.com

ニッコール千夜一夜物語にも紹介が出ています。

 

Nikon D600に取り付けるとこんなサイズ感です。

F4.5-5.6と開放口径が暗めのレンズのためか、Ai AF-S NIKKOR 80-200mm F2.8Dと比べると小型です。

 

この時代のNikkorレンズは結晶塗装が眩しいですね。

 

 

 

早速コピースタンドに取り付けてみました。

今年の6月に今まで使っていたA4までのコピースタンドからA3までの大型なコピースタンドに買い替えた?()ため最大まで伸ばせば180mmでも全体を俯瞰できます。

 

(Nikon D600/AF Zoom-Micro Nikkor 70-180mm F4.5-5.6D)

写真はPENTAX LXファインダーを116mmで撮影しました。

描写力はズームレンズということで疑問視していましたが、全く問題ないですね。

気になっていた歪曲収差も、方眼目が印刷してある工作マットを見て180mm近辺でわずかに樽型になる程度で気になりません。

 

なによりもフォーカシングによる画角変動(ブリージング)を抑えた設計になっているからか、一般のズームレンズでよくあるピントをあわせたら僅かに画角が変化→もう一度画角調整という行程がありません。

また、ズームによるピント変動がまるでなく、そういった点本当に理想的なズームレンズなんだなあ、と思います。

 

ファインダーを覗いて立体物を撮っていると今までのレンズはなんだったのか、と思うくらいには奇妙さをおぼえました。

 

いずれにせよ、これからこのセットで撮っていこうと思います。