にこらのブログ(カメラ修理館)

クラシックカメラを修理、収集している学生のブログです。

BRONICA S2 / ZENZANON 75mm F2.8の試写

 

昨年12月に名古屋名鉄百貨店で開催された世界のクラシックカメラバーゲンにて手放してから久しかったBRONICA S2ブラックを買い直しました。(いやー凛々しい!)

 

一般的な標準レンズNikkor-P 75mm F2.8を付け何本かネガを撮ってみたはいいものの、以前も所有していたこともあってなんだか物足りない。

 

それからしばらく経ったある日、都内中古カメラ店を巡っていたら存在は聞くものの、その実物をみたことのなかったZENZANON MC 75mm F2.8を発見。

 

噂によれば東京光学製のプラナー構成とのことですが、日本光学Nikkor-P 75mm F2.8がクセノタールタイプだったこともあってどのくらい変わってくるのか気になりますね。

 

最近導入した入射光/スポット兼用式のセコニックL-408を使ってみます。

これが実に使い勝手のいい露出計で、そもそも兼用になっているため2つ持ち歩かなくても済む点が一つ、凹凸の少ないデザインのため持ち運びに不便しない点がもう一つ。

そして、デジタル式のためメモリー機能が充実している点、その3つが素晴らしい。

 

露出計のデファクト・スタンダードがセコニックスタジオデラックスになっていますが、そもそもアナログ式のためメモリー機能に乏しく、等間隔目盛りでないため視認性に劣り、ダイヤルで合わせないといけない。

 

スタジオ用途ではなく、スナップ用途になるととたんにうっとおしく感じるものです。

 

アタッチメント交換式ではなく、こうして両機能内蔵式の使い勝手のいい露出計が新品で出ていればほしいんですけどねえ。

 

 

フィルムはILFORD HP5+を使いました。

35mm判だと粒状性でISO400は避けたくなりますが、そこはフォーマットサイズの暴力ということで。

BRONICA S2

ZENZANON MC 75mm F2.8

1/250 F16 EI:400 Y2(SC48)

ILFORD HP5 (D-76)

 

いい感じのコントラストですね。

 

BRONICA S2

ZENZANON MC 75mm F2.8

1/250 F16 EI:400 R1(SC62)

ILFORD HP5 (D-76)

 

R1フィルターを入れて撮ってみたカットです。これはこれで面白い?

 

BRONICA S2

ZENZANON MC 75mm F2.8

1/250 F11 EI:400 Y2(SC48)

ILFORD HP5 (D-76)

 

BRONICA S2

ZENZANON MC 75mm F2.8

1/250 F4 EI:400

ILFORD HP5 (D-76)


近接でそれなりに開けてみたカットです。

 

ボケの感じもNikkor-P 75mm F2.8に比べると柔らかで、その中にちょうどいいコントラストがあるあたり設計の新しいレンズであるということを感じさせます。

 

そもそもNikkor-P 75mm F2.8が設計が1950年代前半の航空写真機レンズに端を発していることを考えると、1972年までの20年近く設計年に差があるわけで比較するのも酷、というか多くの技術革新がある中でECの最末期まで生産され続けた方がおかしいのですが...笑

 

こうなると、ブロニカ標準レンズの中での砦、Nikkor-H 75mm F2.8DXが気になってきますね。

1975年日本カメラショーカタログでは、Nikkor-P 75mm F2.8と同じく39500円が標準価格になっていますね。4群5枚の同じような構成だったのもあるのでしょう。