4月も中旬に近づくにつれ桜もピークを過ぎ、散っていく様子がみられるようになりましたね。あれだけ楽しみにしていた桜もわずか1週間ほどで散っていくとは儚いものですね。
先月末に、フォロワーさんが来京された際に、皇居周辺で撮影会をした記事を書きましたが、そのあと銀座まで歩き、銀座の某カメラ店にて海鴎4Aという二眼レフを購入しました。
いつか、上海照相機製のカメラでは鳳凰205というキヤノンキヤノネットのようなレンズシャッター機を持っていましたが、作られた時代が1980年代から90年代という非常に新しい部類というのもありましょうけど、意外とアルミダイカストのボディはしっかり作られており、距離計も露出計もよく調整されており、メッキも全盛期のコニカのように分厚い。悪くないカメラじゃないかな?と思っていました。
結局、あの鳳凰205は一本だけフィルムを通して売ってしまいましたが、3群4枚のテッサータイプレンズということもあり、癖もなく、そつなく使いやすいカメラだった覚えがあります。
今回の海鴎4Aもおそらく80年代の機種で、時代にそぐわないほど古臭い仕様であるのはさておき、時代なりにアルミダイカストの質はよく、塗装もメッキも綺麗、良さそうです。
シャッターは鳳凰205と同じと思しき、プロンタータイプの1-1/300のシャッター。
性能で言えば、1955年でも中級機の水準でとりたてて優れていません。ヤシカAかよ。
テイクレンズはSA-85という75mm F3.5のトリプレットタイプです。
この国の光学硝子の製造水準がどうだったのか、全く見識がありませんが、時代なりにランタンクラウン系の新型硝材が使われていれば、まぁまぁ期待できます。
旧型硝材で構成されていれば、まぁカスでしょう。
いや、それこそ、ぐるぐるボケで楽しむという観点で考えれば、それでこそ存在価値があるというのか...?
ちなみにSA-95やSA-99というテッサータイプレンズ搭載機なんかもあるそうで、選択できたらしい。リコーフレックスダイヤかなー?
「SA」というのは"Shanghai Anastigmat"の略らしい。時代よ...。
素晴らしいと思ったのはローライフレックスタイプの巻き上げクランク。
ガン萎えポイントが一気に解消されました。
ただ、ダイキャストをウレタン系の塗装で塗装しただけと思しきカメラ内部は内面反射が激しく、これでは影響が懸念されるため、あらかじめ内面反射防止シートで囲いました。
早速撮影。桜がまだ満開だったころにフィルムを詰めたのでいい感じです。
フィルムはFOMAPAN 100を使いました。最近マイブームのSPDで7分現像。
1/125 F11で撮影。あいにく34mmという変則径のY2フィルターを持っていなかったためノーフィルターで撮影。空が飛んでしまいましたね。
絞っているというのもありますが、中央部はもちろん、周辺部も解像度は高くいいレンズですね。コントラストもなだらかに出ています。
国産の普及期では稀にひどい機種もありましたが、それとは比較になりませんね。
1/125 F16
一枚目の中野サンプラザは老朽化もあり、今年夏に解体される予定になっていますが、この三鷹駅前第一市街地住宅(三鷹センター)も今年解体される予定です。
段々と、こういうのっぺらぼうな、いかにも高度経済成長期に作られた鉄筋コンクリート造のビルが解体ラッシュで少しさみしい気もします。
ただ、老朽化もありますが、住宅や店舗設備としての基本設計の古さは否めなく、仕方がないですね。
1/300 F3.5
最後は開放でチューリップを撮ってみました。
最も近接に設定しての撮影になりますが、アウトフォーカス部分もぐるぐるボケが皆無で新型硝材を採用したけっこう設計の新しいレンズということがうかがいしれますね。
おもしろくないの。
持ち出している日にたまたま知人の中国の方にあったので見せたところ、「わ!懐かしい!私も香港にいたとき新品で買って使ってた!当時中国で一番売れてたカメラですヨ!」と懐かしがっていました。
こういう国産で国民的なカメラというのは実は存在しないのではないかって最近思えてきたんですよね。それこそ1960年代まで遡るならばキヤノンのキヤノネットのようなカメラがありますが、最近はどうなのでしょうね。
それこそ、もうiPhoneがその立場に立っているのかもしれません。
革ケース目当てで4A-103を買いました。
トリプレットタイプのSA-85を搭載した廉価モデルですが、ところどころ仕様が変わっておりびっくり。
ワンタッチ式ファインダーフード→屏風式ファインダーフード
アクセサリーシューなし→X接点付きのホットシュー
すりガラススクリーン→フレネルレンズ付スプリットイメージ式スクリーン
1980年ですりガラススクリーンは正直時代遅れにもほどがあると思いますが、フレネルレンズ付きのスクリーン、それもスプリットイメージ付きになったのは大きいです。
ただ、ペンタプリズムで覗くわけではなく、ウエストレベルファインダーでスプリットイメージは選択ミスではないかと思います。
わずかでも斜めから覗くと陰ってしまってよくみえない。それもけっこうスプリット傾斜角が高いようで75mm F2.8には過剰性能じゃないかと思います。
ここはマイクロプリズムにしてほしかったなあ。
巻き上げクランクの二眼レフはローライフレックスにしても、ミノルタオートコードいずれにしても人気があり高価で、手頃な価格帯で実用機をお探しの方にはいいと思います。