お久しぶりです(定型文
遂に月イチの投稿すらままならない忙しさですが、生きています。
さて、先月の中頃、数年ぶりにキヤノン7を入手したのでその報告です。
50mm F1.4付きを入手しました。魔が差したという面が大きいのでしょうが、0.95付きがキヤノン7の唯一のステータスとなっている現在、F1.4付きの姿を見て一目惚れしたというのが理由の一つです。以前も所有はしていましたが、とかくおもしろくないカメラだと思って大した愛着も湧かなかったのですよ。
距離計キヤノンはS2型からIIB~IVSb改良型、VIL、P、7と主流の機種を全て揃えていましたが、その最後という理由をつけ、なんとなく買っただけで使うこともなく終わってしまった気がするなあ。
世間ではセレンのデザインからさして人気のあるカメラではありませんが、距離計キヤノンでは最多の12万台を生産、仮にも距離計キヤノンの末裔、そして高級機ということもあり非常に機能はまとまりのある扱いやすいカメラに仕上がっています。
各部の意匠は従来のキヤノンV型、VI型を継承したモダンなデザインになっていますが露出計の搭載でシャッタースピードダイヤル周りが盛り上がった格好になっており、そのためレリーズボタンが押しにくいという本末転倒なことになっていますね。
私はレリーズボタンを別途つけることで対処しています。
また、デミと部品を共用したのか巻き上げレバーも寸足らずなものに変更されています。これも不格好の要因では。
先週末、ある方と撮影会がありその際にキヤノン7について話題になりましたが、キヤノン7の不人気の理由一つであるセレンの採光窓がまるで歯医者待合室の窓ガラスのようで不格好で仕方ないというはなしになり、不覚にも笑ってしまいましたね。
当時のカタログです。
50mm F1.4付きは47,500円。50mm F1.8と比べても5000円差という非常にお手頃な値段に設定されていました。その理由としては
50mm F1.4としては破格の4群6枚構成だったことが挙げられるでしょう。
第六面の曲率が低い...美しい(だまれ
設計者はキヤノネットのSE45mm F1.9(4群5枚構成)や50mm F0.95の設計でおなじみの向井氏だったようです。彼は商業的な要求もあるでしょうが、この時代にはとにかく枚数の少ないレンズの設計を目指していたようです。
キヤノンP型が高級距離計機の価格破壊に成功し商業的にも成功、大変なインパクトを残しましたが、既存の高級機であったキヤノンVI型との棲み分けがわかりにくいと評判がありました。
そこで、キヤノン7型ではP型とVI型を統合したような仕様を目指したようです。
最高級機を下のラインにあたる機種と統合するとは現在では考えられないことですね。
いつものアサヒカメラ ニューフェイス診断室 昭和37年1月号によれば、
従来のP型にキヤノンメーターをのせ、F1.4レンズをつけたものと、この7型のF1.4つきとをくらべてみると、前者は5万8500円、後者は5万1700円(ケースつき)で、7型の方が格安であることが分かる。
まさかの7型の方がP型より安かったようです。
50mm F0.95レンズは、ご指摘のとおり特殊レンズとして製作しております。性能的には従来の標準レンズとくらべなんら見劣りありません。常用としてはF1.4やF1.2が軽便であるとぞんじます。
というキヤノンカメラ側の回答もあり、やはり主流はF1.4付きだったようです。
嬉しいことに当時のフィルターも付属していました。特にS-50は50mm F1.4でしか使えないため流通量が少なく嬉しいものです。
被せ式キャップも取り付けられる薄枠のフィルター。
50mm F1.8~F1.2まで共通の革ケースです。
キヤノンVT型をデザインするにあたってデザイナーだった川田龍肴氏は速射ケースもデザインしたといいますが、この時代のカメラにとっては速射ケースも顔なのです。
それではCANON 50mm F1.4を使用しての作例です。
CANON 7
CANON 50mm F1.4
Rollei RETRO80s (D-76)
F4
F8(Y2使用)
F11
J-カメラ主催のカメラ市にて麓カリブという、以前流行った宇宙の片隅フィルムの後継作を抽選で当てたため、それを使用してみます。
普段はカラーフィルムで撮ることもないので妙に緊張します。
F4
もとがシネフィルムなのでしょうか、タングステンフィルムのような色味です。
あまり粒状性はよくありませんね。
F1.4開放での撮影、タングステンフィルム?のためか却って正常な色味になってますね。
レンズについて書きたいところですがあまし長くなるのも読みにくいと思いますので、こんなところです。では。