一ヶ月ほど前にTwitterのFFであるYuki Hayashi様(@yukihay01339636)にいただいたペトリB&Mの試写をしてきました。
1974年発売、1967年発売のペトリFTEEの意匠を若干変え1973年発売ペトリFTEのブラック、マルチコーティング標準レンズ仕様として登場した機種となります。
1971年からペトリは赤字に苦しむようになったようでFTEもかなり苦し紛れの機種だったんでしょうね。FTEEですらベースは1961年発売のペトリペンタVから変わりませんから...
ノーマル(クローム)のペトリFTE f/1.7付が41,600円だったところ、ペトリFTE B&M f/1.7付が45,600円だったそう。カメラボディ単体だとFTE 25,000円、FTEブラック 27,000円だそう。
どんなカメラもブラック仕様はクローム仕上げの1000円、2000円高が一般的な時代でしたね。レンズのマルチコーティング分の値上げは2000円くらい?
1974年の公務員大学初任給は72,800円でした。今で言う10万円しないくらいですかね。
この時代、給与の大幅上昇に対してカメラの値段は据え置かれている印象があります。
1960年代初頭ならペトリ一眼レフですら初任給1.5~2倍コースでしたから。
田中角栄内閣の「日本列島改造論」とオイルショックのあわせ技の狂乱物価の頃ですから便乗値上げするわけにもいかなかったのかな。
調べてみると面白く、ニコンF 50mm f/2付が75,000円で買えたりしました。
今で言う20万円しないくらい?安い...
ちなみにカメラメーカー各社にも大打撃だったようでキヤノンの昭和49年(1974)の無配転落は社史にも1ページ割かれるほどでした。AE-1登場の契機となる出来事ですね。
なべ底不況(1958)とオイルショック(1973)さえなければ日本はもっと素晴らしいカメラを作れていたのに...なあ。
PETRI MC 55mm f/1.7
MCですよ、みなさん!!!
このMC、普通にマルチコーティングの略かと思いきや
「ミラクル マルチ コーティング」の略らしい。
なにがミラクルでなにがウルトラかよくわかりませんが、従来の薄いアンバーコーテッドのペトリレンズとは違う何かを感じますね。
「光は制御された!」
というウリ文句だったようです。
経営状態が危うい中で作られた上、マルチコーティングレンズラインナップがこれしかない?わけでどこかのOEMのような気はしますね。どこだろう。
55mm f/1.7というスペック、関西のあそこじゃないかと勝手に疑(ry
では試写
カメラは ペトリFTE
レンズは ペトリ MC 55mm f/1.7
フィルムは APX100(D-76)
露出計も概ね正常な値を出していたので全部EEにまかせてみました。
売りの機能ですしね。
所要?で川越まで行ったので周辺を試写
「蔵と時の鐘の街」だそうです。
(横断歩道から撮影、一応ね)
近くの神社で祭りがあったそうで浴衣姿の方が多くいました。
る氏のブロニカEC
専売公社時代の塩販売店かしら?
ちょっと田舎行くとよく見かけますね。
こんなところですかね。
ちなみにほぼ同条件で同時に持っていったライカM3+ズミクロン50mm f/2で撮影した方。1/60 f/8くらい?
これも。多分これはf/11くらい?
以前ペトリC.C Auto 55mm f/2を試写したときも思いましたが解像度はあるもののコントラストが弱めな印象を受けますね。普段オートニッコールを常用しているから余計にそう思うのかもしれません。
今度はカラーで写してみたいと思います。
では~。