一時期周囲のカメクラ(カメラクラスタ)界で一種熱狂的な人気があった?富士フィルム Finepix S2ProをFFより譲っていただきました。
FUJIFILM | 企業情報 | ニュースリリース | デジタル一眼レフカメラ「FinePix S2 Pro」新発売
だいぶ古い普及型デジタル一眼レフという印象がありましたが、2002年6月21日発売の機種であるようです。同じく30万円クラスの普及型デジタル一眼レフでは、一昨年2000年10月にキヤノンEOS D30が既に発売されていたものの325万画素とまだ銀塩フィルムを代替するほどの物ではなかったようです。(実は一時期所有していました。
調べてみると翌日6月22日には同じく600万画素レベルのニコンD100がまた同じく30万円ほどで発売されており、ようやく普及型デジタル一眼レフが実用的になってきた時代を感じさせます。
Finepix S2 ProのベースはニコンF80となっています。まぁ瓜二つです。
当然ながら操作系は全く同一でデジタル回路がF80に寄生しているような格好になっていますが、フィルムカメラとして熟成期間にあったF80がデジタルカメラになった途端にこれだけ不完全なものと感じてしまうあたりに謎の違和感を感じましたね。
面白いのはF80ではモードダイヤルにISO変更が用意されていますが、S2Proではそこまで流用しISOの変更がデジタル回路側に伝わるようになっているのです。
F80にはF80DとF80Sの2機種が用意されていましたが、F80Sではフィルムコマ間の撮影データ露光が可能となっていました。
つまるところ、本体と裏蓋間で撮影データの送受信が可能だったわけでそれがデジタル機のベースに選ばれた要因だったのではないかと思っています。
そもそもデジタル機と部品を共用することを前提に作られた機種なのかもしれないですけどね。
枚数表示は36までしかカウントできないためかデジタル回路側に追いやられています。
ところどころに当時のコンパクト機種のファインピクスを彷彿とさせる意匠があります。Finepix 4800Zなんかもこのようなインターフェイスを採用していましたしね。
F80の35mmフルサイズのファインダーをAPS-Cにクロップした格好ですが、そのせいでファインダー内表示がこんな端っこにあります。うーーーんこの。
試写にはAF-S 18-135mm f/3.5-5.6G(IF)を使用しました。
一緒に行った友人からの借り物となります。
時代的にJPEG撮って出しなんていう暴挙はできない(あまりにグリーン被りがひどすぎる、場合によってマゼンタに転びがち)ため、ある程度の補正はしています。
良くも悪くもリバーサルフィルムを使用している気分です。
それでいてデジタルなんですよねえ。手元に届くまで興味もなかったため知らず届いて驚きましたがハニカムCCDなんですね。そのためか600万画素級にしては非常にシャープな印象があります。
撮影最中と画像調整中にはものすごい古さを感じていましたが、いざそうして出力された画像を見てみると案外悪くないとは思います。ファインピクスは記憶色重視であったと言われるように派手な色調のイメージが有りましたがこの機種に限ってはProの名の通り扱いやすい渋い色味になっている印象があります。
案外、当時の作例写真も非常に立派なものになっているだけあって画像調整で化けるカメラなのかもしれませんね。