このブログも気がつけば50記事を達成していたようです。
閲覧いただきありがとうございます。
最近は暇ではあるものの、落ち付かず集中力が続かないという哀れな精神状態に陥ってまして、どうしようもないんですよね本当に。
とりあえずリハビリとして前回紹介したキヤノンデミの修理を行いました。
Twitterで親しくさせていただいている森羅氏よりのいただきものです。ありがとうございます。
症状はモルトは当然として、シャッターが開きっぱなし、ファインダー曇り、露出計不動、レンズカビとこの時代のLS機定番の故障ですね。
特にキヤノンデミのファインダー曇りは、デミ(S含む)特有の症状でただの汚れの曇りではなく、硝子の変質による曇りなので厄介なんですよね。
いわばズイコーの曇りみたいなものです。
まずは前から。
モナカ構造のカメラなのですが本体の革を剥がすのが面倒だったため、はじめはシャッターの粘りだけを直して終わりにしようとしたのがバレバレですね。
ちなみに前玉回転式的な全群繰り出し式なので、レンズの位置を合わせないとピントがずれます。
しかし、思ったよりシャッターの粘りが手強くシャッター羽根を取り外して洗浄することに。手間がかかっているわけでそうなると些か適当に終わらせるわけにはいかないという思いが強くなってきます。
露出計が使えなく、ケプラー式の凝ったファインダーがなければデミの魅力は限りなく低くなってしまいますしね。
というわけでモナカも剥がしてしまいました。
露出計とファインダーが外されたデミ
露出計はセレンの劣化によるものだったので、部品取り機から移植しました。
問題は、ファインダー。
先述の通り、接眼部のレンズが変質により曇っているのでどうしようも無いのです。
部品取り機も同様に曇っています。
というわけで禁断の酸化セリウム研磨。
デミの接眼部は幸い平面に近いので研磨しても問題ないという判断です。
普段は酸化セリウムはファインダー保護硝子、時計の風防の研磨にしか使わないんですけどね。
このレンズは電池で言うLR44並に小さいので手に持っての研磨は難しく、レンズピッカーで掴むとやりやすいようです。同業者はお試しあれ。
まぁ及第点かな
デミの特徴として先程も書きましたがケプラー式の凝ったファインダーがあります。
普通のカメラなら逆ガリレオ式の簡単なものに済ましてしまうものですが見えを優先して双眼鏡と同じ様なケプラー式を採用しているのです。
三枚のレンズと、二個のプリズムを使った大変豪華なものです。
まぁそれなりに見えるようになったので良かった。
あとはレンズの分解清掃と、モルト交換、ついでにヘリコイドグリス交換で終わり。
前回の記事にあるように既にフィルムは入れたのでどんな描写になるか楽しみです。
では。