一度買い逃したカメラってなかなか入手しづらくないですか。
特に中古カメラ、その中でもジャンクカメラといったジャンルのモノは状態も品種も様々ですから一度逃すともう二度と会えないといったこともあるものです。
僕の場合は大衆カメラがメインなので珍品カメラコレクターの様に二度と会えないといったことはないのですが、疎遠になることはあったりしますね。
それが今回のペトリ35(F3.5)なんですよね。
数年前、まだカメラ入手のメインがハードオフだった頃、近所のハードオフに行ったらなぜかショーケースの上にポツンとやれた革ケースに入ったペトリ35がありまして。
当時はまだペトリというカメラメーカーを知ったばかりで、見たこともなかったため物珍しさからケースを開けて見てみると随分と小綺麗なペトリ35が出てきた。
ネットでよく見るようなグリーン・オ・マチックファインダーでもないレンジファインダーのペトリがあったのかと、動作確認をすると普通に動作する。
お値段な1080円。
今だったら即決ですが、まだカン露出もままならなかったし、3.5というレンズの暗さも相まって見送ったのです。惜しいことをしました。
翌週やっぱり欲しいと行ってみても、もうそこにはなかった...
ここ数年は大口径信仰の信者だったにこらですが、50年以上昔の大口径レンズだと描写が荒れやすいとか、単に大きく持ち運ぶのに不便で辟易としたとかそんな理由で小口径の標準レンズを使う機会が増えています。
今年1月に撮ったCanon Pと50mm F2.2の試写でその鮮明さにギョッとしたというのもありますね。
そこで思い出したのが、ペトリ35。
その赤い栗林のマークが光るその丸っこいボディーを思い出し、ネットオークションで落としたのです。珍しくもないただの大衆機ですから。
ペトリ35 F3.5モデル。1955年発売です。
1954年に俗に言うケルンの衝撃、ライカM3が発表されその影響を相当強く受けただろうデザインだと思います。
距離系窓から端まで伸びるラインもM3そっくりですし、レンズあたりの意匠も似ています。
たまにライカになれなかったカメラとか間抜けなことをいう人がいますが、あれはレンズ交換式のFPシャッターの高級機、これはレンズ固定LSシャッターの大衆機。そもそもの位置が違うのです。
ペトリに関しては最後までFPシャッターのRF機を作りませんでしたしね。
今で言うなら、iphone Xのノッチを真似る中華メーカーみたいなものですかね。多分。
シャッターは自社製のカーペル(B,1-1/200)です。
1/500まである高級機ではスプリングの力が強いのか派手な音がすることがありますが、こういう1/200までのシャッターだと静かな事が多いです。
ペンを机においたときのようなカッという音が良い。
個人的にお気に入りなのがこの栗林のマーク。
アクセントになって可愛らしいですし、存在感大きいですよね。
ライカが赤丸マークを付け始めるのがライカM4-P、軍艦部に付くのはM6からだったかと思いますが、1980年のことですから、こっちの方が26年も早いと。
なんだか面白いなw
そういやレンズ先端に嵌め込みで取り付けるフィルターも付属していました。
驚くことにレンズにフィルター溝が彫ってないんですよね。
時代を象徴するかのような白黒用フィルターですね。
自粛後の楽しみがまた一つ増えました。
では。