今の写真撮影用光源はキセノン管を使い何度でも発光できるスピードライト・ストロボが主流ですが、かつては電球内でマグネシウムを発火させ光を得る一回ごとに使い捨てのフラッシュバルブが主流だったそうです。
何度も発光できゴミも発生せず経済的なスピードライトには勝てるわけもなく、スピードライトが低価格化した1970年頃を境に急に衰退したそう。
一応、スピードライトは発光時間が1/10000と短く、細いスリットを作って高速時のシャッタースピードを調節しているフォーカルプレーンシャッターの場合X接点(当時の横走りだと多くが1/55ないしは1/60、縦走りだと1/125)以下のシャッタースピードでないと画面全体を露光できないのに対し、発光時間が長いFP級フラッシュバルブは1/1000といった高速でも露光できたためにスピードライト普及以後も存在意義を残してましたが...
それもシャッターの高性能化(X接点が1/250まで向上)とスピードライトの高性能化(FP発光が可能に)によってその生命を絶たれてしまいますが。
我が家にもEOSにはキヤノン製のFP発光可能な現代的なTTLストロボに、クラカメにはナショナルの外光オートストロボがあるので今更フラッシュバルブを使う必要はまったくないものの思わぬところから発光器が手に入ったのでいい機会と使ってみることに。
電球は使い捨てですから新たに入手せねばなりません。
東芝製のM級フラッシュバルブ
表の画像がレンズシャッターのコニカなのは今回M級を買ってしまったからですね。
FP級は先述の通り現代でもクラカメを使うにあたって利用価値は十分にあるものの、もともとスピードライトでも全速同調するレンズシャッター用のM級とあっては現代では利用価値はほぼありませんね。
中身です。
妙にガラスが青く着色されてるのはカラー対応のBフラッシュバルブだからだそうで。
閃光電球の色温度は3800Kほどで、カラーで撮るとかなり赤みを帯びた写真になります。そのためLBBフィルターをかける要領で青く着色してあるらしい。
現代のスピードライトは元々5500K前後なので補正フィルターはかかっていません。
タングステン用フィルムで撮るときはどうだったんでしょうね。白黒用のノー着色のバルブを使ったのでしょうか。
東京芝浦電気...というのは置いておいて、ガイドナンバー表です。
現代のスピードライトだと条件でガイドナンバーが可変することはそうそうないとおもいますが、スピードによって可変なんですね。
こればっかりはなぜかわかりません。
ASA100時ガイドナンバーが48。相当強いです。
早速使ってみます。
フラッシュガンの15V電池の代替が必要です。
紙巻きの電池なんて初めてみました。15Vで缶のを見たことあるので古いタイプですね。いつ頃のだろ?
バルブは3V~25Vが動作電圧だそうなので4LR44にLR44 2コ入れてみたら使えました。
シンクロ接点をMに。いっつもX固定でしたが、このスイッチを使う日がくるなんて。
ソケットに電球を差し込みます。
そしてガイドナンバー表に合わせて絞りをセットし、ピントを合わせてファイアです。
マグネシウムの焦げた匂いがする...
なんともノスタルジックでいい感じですね。
まぁそんなところです。では。